ストレスには運動療法がおすすめ

 ストレスホルモンのうち、その代表的なコルチゾールは肝臓での糖や脂肪の分解、タンパク質代謝のほか、血糖上昇作用など代謝作用も有しており、抗炎症や免疫抑制などにも関与しています。生体にとっては必須のホルモンなのですが、過剰なストレスゆえに活動リズムが崩れると、コルチゾールの分泌が慢性的に増え、その結果不眠やうつ病などメンタルへの影響が出るほか、生活習慣病も増加すると考えられています。
 ストレスを感じて食欲が増大する場合もあれば、強いストレスのもと食欲が減る場合もあるようですが、コルチゾールが多く出るとストレスを誘発して過食になりやすいようです。
 そこで、うつ症状におすすめなのが運動療法です。昔からうつ病の治療には休息、精神療法、環境療法、抗うつ薬などの薬物療法のほか、食生活など生活指導が大事とされていますが、心身の休息の一部として適度な運動療法は心身に良い結果をもたらすようです。運動のなかでも、はやあるき(速散歩)がおすすめです。うつ病の日内変動を上手に利用して、うつ病・うつ状態を改善することが得策だと思われます。

<参考文献>
「こころに効く精神栄養学」(女子栄養大学出版部発行)功刀浩 帝京大学医学部精神神経科学主任教授 著