入浴の効用

 外気温が下がり、湯船にゆっくり浸かりたくなる季節になってきました。シャワーではなく、入浴は日本文化に定着しているようですがその方法によって心身に与える効果が異なるようです。

(1)まず、温熱効果です。お湯につかり、身体を温めると、血管が拡がり血液の流れがよくなります。酸素や栄養素が身体中に拡がり老廃物が体外に排出され、新陳代謝が進みます。温まると、関節は緩くなり、筋肉痛などが緩和されます。
(2)お湯の浮力にはリラックス効果があり、肩までお湯につかると人間の体重は通常の10分の1程度になります。肥満などで膝や腰に痛みがある人もお湯の中なら浮力を生かしたリハビリができるわけです。水に抵抗性と粘性があるので手や足を動かす軽い訓練も入浴中に出来ます。
(3)水圧によって身体が締め付けられると下半身にたまった血液が身体の中心部に押し出されて脚のむくみが改善します。胸の骨格も圧迫を受けそれに抵抗すれば、呼吸筋の運動にもなるわけです。ただ、心臓や肺に病気をもつ方は注意が必要です。洗浄作用についてはお湯につかっている間に認められ、手に石鹸を付けて皮膚をなでるぐらいぐらいで丁度良いようです。   

<参考文献>
温泉・お風呂の医学研究者 東京都市大学人間科学部教授・早坂信哉先生談