第31話 エッセイ本の反響

新幹線に乗って横浜から受診された患者さんに感嘆する「ひーこ先生」 
 今年1月中旬にひーこ先生が人生初のエッセイ本を発刊したことは以前に書いたが、いつの間にか増刷を重ねている。京都新聞にインタビュー記事が出たり、出版社の好意もあって書籍の新聞広告が地方新聞を中心に掲載されたり(3月には毎日新聞にも掲載)して、少しずつでも全国各地でひーこ先生のファン?が増えている模様である。
 先日は、横浜から新幹線でクリニックに受診にお越しになった方もいた。書籍の内容に感銘を受け、”是非直接お会いしたい”ということで、受診のご予約をした上でご来院されたことには、正直ひーこ先生も驚いた。何かに強いこだわりを持ったりすることのほとんどない先生は、誰かのファンになったりすることがほぼないので、”推し”もいなければ、尊敬する誰かの足跡を辿ったりというようなことも全くない。そのため、「横浜からわざわざ新幹線でお越しになるなんてビックリ!すごいよね」と、ひとしきり感嘆の声を上げていた。
 受診の際に、書籍を持参され、”サインをお願いします”という方もいらっしゃる。そんなときは、嫌がらずにサインをしているようだ。

実際に会って何か生きる力、前進する勇気を得てもらえば有り難い
 書籍を読んで受診された方々が実際にひーこ先生に会って、どのような感想をお持ちになったかはわからない。”90歳なんてとても見えず、若々しくて本当に驚きました”、”漢方の話をされるときはあまりにエネルギッシュで圧倒されました”、”刺激を受けました。私も頑張ろうと思いました”、”書籍で書かれていることが自分に対して書かれているのではないかと思うほど、いちいち納得できたので、先生に相談したかったのですが、相談できて本当に良かったです”などといった言葉をいただくが、ひーこ先生に実際に会って、何か生きる力、前進する勇気を少しでも得ていただけるとしたら、先生にとっても有り難いことのようだ。

普段と全く変わらず、どの漢方が最適かを一生懸命に考える
 ただ、ひーこ先生は、多少なりとも反響があって書籍を読んで来院される患者様が増えたことは理解しているものの、自分から書籍のことをほとんど話題にすることはない。それは京都新聞の新聞記事の場合と全く同様である。人に自慢話をしたりしないだけでなく、書籍を読んできたという患者さんに対しても、書籍の感想などを尋ねることなどせず、普段と変わらない診察を行う。患者さんの受診のキッカケが何であれ、患者さんが訴える症状に対して、どの漢方が一番最適だろうと一生懸命に考えて患者さんに話す姿が今日もクリニックにある。