第22話 丁寧に話を聴くように努める

話を聴いてくれるという患者様の感想
 最近、何回が通院していただいている患者様に、感想や改善点をお聞きすることがある。すると、一番多い感想が“話を聴いてくれる”、“親身になって診察してくれる”、“丁寧に対応してくれる”といったひーこ先生の診察時の姿勢に対するものだ。次に多いのが、“漢方が効いている”、“副作用の心配をあまりしなくていい”、“漢方薬の相談をできる”といった漢方処方に関するもの。
 もちろん、複数回通院されている患者様は、効用をそれなりに感じているから通院されているのであろうから、評価がある程度高くなる傾向にあるため、改善を本格的に検討するには、初診後に再診を希望されなかった患者様に感想を聞く必要があると思われる。実際、初診時に“話が噛み合わなかった”“話を聴いてもらえなかった”というご意見を伺うこともある。
 患者様がひーこ先生に話を聴いてもらっているという感想をもつのは、もちろん先生が一生懸命に患者様の話を聴こうとしているからではあるが、患者様がひーこ先生の話を聴こうという姿勢があるか、ひーこ先生が患者様の話を理解できるかという点も関わっているように感じられる。ある意味当たり前のことかもしれないが、つまり、患者様とひーこ先生との間である程度の信頼関係が築かれていると、先生も話のキャッチボールができるので、話の内容理解により一層努め、患者様の伝えたいことを理解したいと感じるように見受けられる。
 その意味で、感想として二番目に多い漢方処方を希望して来院される患者様の場合、ひーこ先生からの漢方薬の説明を聞こうとされる場合が多いので、話が噛み合いやすく、先生としても患者様の話を聞きやすいのかもしれない。
 
話が噛み合わなかったときは少し落ち込む
 逆に、カウンセリングのように、悩みごとや苦しい心の内をじっくり聴いてもらうことを期待して来院された場合は、ある程度限られた時間で、症状の改善のために何らかの漢方処方を出来ればと考えているひーこ先生との間では、うまく話が噛み合わず、患者様にとって不満を抱かれる場合も出てくる。
 話が噛み合わなかったときは、診察後のひーこ先生の姿を見ると、ある程度予想できる場合が多い。診療録メモを見つめながら、うまく診察できなかったとでも言いたげに、首を横に振りながら、少し元気がない様子に見受けられるからだ。
 そんな姿を見ているわけではないだろうに、一部の患者様のなかには、ひーこ先生の姿を見て、“かわいい”と言う方々もいる。色々な見方があるものだ。