第34話 ご高齢の一人暮らしの方への対応

ご高齢の一人暮らしの女性の方が少なくない
 クリニックにご来院される患者様のなかには、80歳以上の女性の方が少なくない。ご家族と一緒にご来院される場合も多いが、一人暮らしでお一人で受診されるケースも決して少なくない。ひーこ先生よりも年上でお一人暮らしで、ご自宅からの遠い道のりを一時間近くかけてお越しになる方もいらっしゃる。足腰もしっかりしているし、認知症の症状も見受けられず、耳もそれほど遠くなく、ひーこ先生としっかり会話が成立していたりする。世の中にはご高齢でたくましく生活されている方が多いことを再認識する。

一人住まいで不安を抱きやすい
 しかし、見た目にはしっかりされているようでも、心の中には不安を抱えておられるからこそ、ひーこ先生のところにわざわざお越しになる。ご高齢の方の多くが、友人や知人を亡くしたご経験をもち、友人や知人が少なくなっていく状況に置かれている。お一人暮らしの場合、さらに寂しさが増すようだ。自身が健康であることは有難いことではなく、逆に寂しさを増す要因になって、要介護になって施設に入居したい、楽しいことがないので早くお迎えが来てほしい、といった考えを抱いたりする方もいる。

寂しさから暴言も出て、家族がさらに接しにくくなることもある
 もちろん、ご家族にも様々な事情があるようだが、寂しさから暴言を吐いたり、過去のことを必要以上に思い出してくよくよ考えたり、ちょっとしたことでイライラしたり不安を抱きやすくなったりして、対応の仕方に困ったり、接することで傷ついたりして、さらにご家族の訪問頻度が減ったりすることもあるように見受けられる。ひーこ先生の書籍を読んで、考え方を変えるように促しているという話や、どう接したりしたらいいかわからない、しばらく距離をおいたほうがいいのではといったご意見をご家族の方から聞くケースもあるようだ。現実的な方法としては、訪問看護サービスをうまく利活用することもあるだろう。

可能な限り家族や知り合いと暮らせることを願う
 ただ、一般論として、ひーこ先生としては、老齢の方が、可能な限り一人住まいではなく、家族やお知り合いの方とお住まいになることを願っている。ご高齢の方が受診され、寂しさを訴えられる場合、ひーこ先生は、お孫さんへの贈り物を作成したり、楽しいことを見つけたり、手先を動かしたり、ラジオ体操をしてみたりしたらどうかなど、色々と元気づける言葉を投げかけるが、一人住まいではどうしても食は細くなりがちで、認知症も進みやすい。老齢の方に考え方を変えるように、言葉で語っても大きな効果はあまり期待できない、と考えている。漢方処方も精一杯行うが、”事情があって難しいかもしれないけど、可能であれば一人住まいにならないように工夫ができればいいのだけど・・・”というのが先生の口癖だ。