興味・関心のあることにチャレンジし、行動しながら学ぶ
専業主婦時代、家事や子育て、夫の歯科診療所の手伝いなどに追われながらも、ひーこ先生は自身の関心のあることに積極的にチャレンジした。四柱推命、女子栄養大学(栄養学)の通信課程はその代表であるが、それ以外にも興味があることにはまず飛び込んで、行動しながら学んだ。卒業までは至らなかったものの、実は慶応大学文学部(通信課程)にも入学し、主に心理学を学んだ。その行動力は子どもたちも驚くばかりで、知らないうちに、いつの間にか学びが始まっているというのが少なくなかった。その学びに対する貪欲さというのは90歳になった今でも健在である。
四柱推命は、独学ではなく先生に師事して本格的に学んだ。動機は子どもたちの健康や将来のことで、何か気づきがあれば備えたいというところからだったとひーこ先生は言うが、家族の運勢をみるだけではなく、医師に復帰してからは周りの人たちの運勢もみて、親身にアドバイスをした。
女子栄養大学の通信課程では、忙しいなかでも添削課題を提出し、スクーリングもこなし、無事卒業を果たした。そのときに学んだ栄養に関する知識や関心は、心療内科で患者さんと会話する中にも随所に表れる。必ずと言っていいほど、患者さんの日常的な食生活を尋ね、食事や栄養が偏っていないかを確認する。ひーこ先生は、精神と栄養とは深く関連していると考えていて、ビタミンB群などが不足しているとうつ病になりやすいという研究報告もあることから、患者さんの栄養状態には関心が深い。専業主婦時代の学びはそんなところにも生かされている。
学びと行動の結果、現実がいつの間にか変化していく
学ぶこと、成長することにつねに前向きで、現状に甘んじたり、埋もれたりすることがほぼない。多くの場合、目の前の希望のない現実が今後も続くかもしれないと考え、不安で一杯になるように思われるが、ひーこ先生の場合、同じように不安になったり、逆にその現実と対峙してもがいたりわけではなかった。様々な厳しい現実を目の前にしながらも、自身の関心あることにチャレンジしながら、周りの役に立ちたい、そのためにさらに学びたいという想いをもち、行動しつづける。そして、自身が学び、成長する過程で、目の前の現実がいつの間にか変化していく、そんなひーこ先生の専業主婦時代の日々だった。