2022年9月1日漢方専門医として

朝食は食べていますか?
 患者様にご記入いただいた問診票や適応状況アンケートを見ながら、ひーこ先生は患者様に対して、“朝食は食べていますか?”、“朝は陽の光を浴びていますか?”、“水分やミネラルは摂っていますか?”ということをよく尋ねる。20代、30代の女性が来院された場合は朝食のこと、60代以降の方が来院された場合は水分やミネラルの補給のことを尋ねることが多い。
 正確なデータは取っていないが、心身の不調を抱えている20代、30代の女性の多くが朝食を食べていないと答える。その場合、ひーこ先生は“牛乳一杯でもいいから朝食は必ず取ってくださいね。心の調子を整えるためにも朝食は大切ですよ”と答える。適度な栄養摂取、適度な休養が健康には大切、というメッセージの一つの表現のようである。
 不眠や不安な夜を過ごした朝は、どうしても身体は不調で、朝食を食べる気持ちにも状況にもないのかもしれないし、忙しくストレスフルな生活では朝食をゆっくり取ることも難しいかもしれないが、東洋医学の心身一如の考えからすると、心の調子を整えるために、逆に朝食をゆっくり取る時間をまず確保するところからリスタートしてみるというのも一案なのかもしれない。
 夜型の方や生活習慣が乱れ気味の場合には、“朝の陽の光を浴びるようにしてくださいね”とひーこ先生は伝える。生活習慣の見直しは、口で言うほど容易なことではないが、ひーこ先生は、漢方薬を朝食前に服薬をするように勧めるので、朝起きたら陽の光を浴びながら、漢方を飲んで朝食を食べて一日をスタートするきっかけにするという手段もあり得る。

心の不調も身体の不調もつながっている
 栄養や生活習慣のこと以外にも、ひーこ先生は、血圧の状態や舌の状態などからむくみの様子を診ながら、“食欲はありますか?”、“便通はどうですか?”、女性の方には生理痛や生理前のイライラについて尋ねる。最近はPMS(月経前症候群)に悩まれる方が多いと言われるが、心の不調がPMSと関連しているケースはごく一般的なように見受けられる。
 身体不調と心の不調のどちらが原因かはわからないが、PMSに限らず、心の不調とそれら身体症状はつながっているのか、心の不調を感じている方が何らかの身体不調も併せ持っている場合は多い。心も身体も両方の不調を、漢方で整えようという漢方医学の取り組みは理にかなっているようにみえる。