第32話 末娘がクリニックを手伝う
4月から受付を手伝い始め、場の雰囲気が変わる
2023年4月1日土曜日、クリニックにはそれまでと異なる風景があった。その日から受付には、ひーこ先生の四女で末娘が立つようになった。女性の患者さんが8割以上を占めるクリニックにも関わらず、それまでは還暦少し前の次男が受付に立っていたので、場が一気に華やかに変わった。
ひーこ先生も会話が弾む
診察前後は、ひーこ先生にとって最良の話し相手の一人。診察前、当日来院予定の患者さんに関する打合せ時も、自然に会話が進み、雑談で和むこともある。診察終了後は、当日の診察のことはもちろん、それ以外のことも会話が弾む。その日の患者さんへ対応が今ひとつ上手く出来なかったと先生が少し落ち込んでいても、翌日の心配事を話していても、末娘と話しているうちに、先生の表情も明るくなっていく。特別な言葉を投げかけられるわけでもないのに。
通常なら、診察が終了するとパッと白衣を脱いで、身支度を整え、オン・オフのスイッチをすぐに切り替える先生だが、末娘がいると切り替えスイッチも少し緩みがちになる。
土曜日以外はこれまで通り
末娘は、日頃他院にて医療事務に携わっているが、システムも違うばかりか、ひーこ先生のサポートをしながらなので、慣れるまでは時間が少しかかりそうだ。ただ、ひーこ先生の話を聞いて理解し、先生の気持ちを楽にする力は絶品と言える。ひーこ先生も少しばかり明るくなったように見えるのは気のせいだろうか。しかし残念ながら、末娘が手伝いに来てくれるのは土曜日だけ。それ以外の曜日はこれまで通り頑張るしかない。
ブレずに黙々と努力していると、ひーこ先生には、不思議にもサポートする人たちが周りに現れ、増えていく。これからも先生に巻き込まれていく人が現れてくる予感がする。
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