心療内科・精神科医として

休憩時間を削って予約枠を拡げる
 開院半年を過ぎた2022年6月に入った頃ぐらいから、2週間先ぐらい先まで予約でいっぱいになるようになった。WEB予約のスケジュール表から見ると、予約不可を示すバツ印が並ぶ。しかし、患者さんの中には今すぐにでも診てほしいというご要望の方もあり、何とかならないかという電話相談が増えるようになった。
 電話で相談を受け緊急性が高いと思われる場合、ひーこ先生に相談すると、余程のことがない限り、“予約を受けてください”とあっさりと笑顔で答える。その結果、昼休みが大幅に少なくなったり、夜が遅くなったりするが、ひーこ先生に疲れた様子は見えない。おそらく、医師としては当然と考えているのだろう。
 朝9時ごろクリニックに出勤し、診療が遅くなると、夜クリニックを出るのが20時半ごろになることも少なくない。若くても体力的にはきついはずであるが、診察日のほうが休日よりも元気に見えるのは不思議だ。その姿を見て、正直に“90歳なのにすごいですね!”などと感嘆の声をあげると、かえってひーこ先生は機嫌が悪くなるので要注意だ。年齢のことは言われたくないという姿勢は徹底している。

診察や講演視聴は元気を維持する薬?
 漢方薬剤の各メーカーMR担当の方々からWEB講演や研修の案内が届くと、その当日にひーこ先生はその案内をざっと見る。興味のあるWEB講演をチェックし、届いた当日には参加登録をするのが常だ。講演は平日の昼休み時間や午後診終了後である場合が多いので、講演を視聴すると、昼休みがほぼなくなるか、もしくは夜がかなり遅くなるが、そんなことを気に留めている様子は見えない。無理をして体調を崩したりしないようにと周りは気を遣うが、ひーこ先生本人には、休み時間を削っているという感覚はあまりないようだ。逆に、ひーこ先生にとって診察や講演視聴は、元気を維持する薬のひとつなのかもしれない。